竹の可能性を探る「バンブー・キュービック」

伝統と革新が交差する展示ホールの設計

「バンブー・キュービック」と名付けられたこのプロジェクトは、竹の柔軟性とキュービック（立方体）の変形性に着想を得ています。老子の「道徳経」にある「一生二、二生三、三生万物」という言葉から、「一つの竹」が持つ自然の生態的特性、「二つの竹」が示す伝統的な竹マットや編み技術の柔軟性を表現しています。

完全に竹で構築された展示ホールは、そのユニークなキュービックデザインにより、多様な空間を創出し、深みと無限の可能性を感じさせます。複数のキュービックを組み合わせることで、生産から生活、エコロジーに至るまで、竹の可能性を最大限に活かした空間を提供しています。

このデザインは、2024年にA'インテリアスペース、リテールおよびエキシビションデザインアワードで銀賞を受賞しました。銀のA'デザインアワードは、卓越した専門知識と革新性を示す、最高水準の創造的で専門的に注目すべきデザインに授与されます。強い技術的特性と素晴らしい芸術的技術を称賛され、その卓越したレベルの優秀さで、肯定的な感情、驚き、そして驚嘆をもたらすデザインです。

「バンブー・キュービック」は、ただの展示ホールではありません。それは竹という素材の新しい解釈を提案し、伝統的な素材を用いながらも、現代のライフスタイルに適応する革新的な空間を創造する李一鵬のビジョンを体現しています。このプロジェクトは、自然と共生し、持続可能な未来を目指すデザインの可能性を広げる一歩となるでしょう。